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須走登山口〜富士山頂
【 富士山-1 山行記 】

我がパーティー初の登山で日本最高峰の富士山の登頂に成功しました。



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8月15日(火)
時計を見るとまだ予定より30分位早かったが、支度をすることにした。 支度を済ませて外に出てみると、願い空しく雨が降っている。 小生は合羽を持参していなかったため、上下にウィンドーブレイカーを着ての出発となった。 暗闇に目が慣れてないのと寝ぼけ眼のせいか上を見上げると、明かりが点々と見える。 目が慣れてよく見るとその明かりは先発した登山者が所持している電灯の明かりだった。 絶え間無い光の帯を見るに相当の人数が山頂を目指しているようだ。

 降りしきる雨、星空も無い闇夜の中、片手には懐中電灯を持ちながら頂上を目指す。 辺りに雷鳴が響いていたであろうか今は気にならない。 登るに従い空気が薄くなっていくのが分かる。 九合目を通過した頃は数歩足を進める度に足に力が入らなくなる、立ち止まって薄まった空気をゆっくりと呼吸する。 暫くすると足に力が戻ってくるのが分かりまた一歩前進。 果ての無い作業に思えるがこれを幾度となく繰り返す。

 辺りは相変わらず暗闇でただ空気だけが薄くなってくる。 ふと体近くの周りを見ると、湯気が立ち上っているのが見える。 衣類や体に染み込んだ雨、汗が蒸発して白い煙を放っている。

 途中ガイドつきのパーティーと遭遇する。 その最後尾を追いかけるように進む。 そのパーティーの適当な休憩とともに我々も休憩した。

 頭を持ちあげると、立ち眩みのようにクラクラらする。 手足は若干しびれる感じがした。 寒さのせいなのか、はたまた高山病の初期症状なのか。 思えば山小屋にいる数時間で高度順応が出来て良かったのだろう。

先を行くパティーについていくと、人気の無い寂しい道に入った。 恐らくこの斜度からして下山道だ。 先頭のガイドさんが登山道の混雑と悪天候から比較的緩やかな下山道を選んだのだろう。 山を右手に左は断崖絶壁だ。 落ちたら数百メートルまっさかさま。 しかし、パティーのペースは初心者の我々にとっては程良いものだった。 登るほどに人気は無くなり、雨は増し、空気は薄く、風は強まり、寒くなる。 どのくらい歩いただろうか とても長く感じた。 元々下山道なので、なだらかな分 更に距離が長いのだろう登山道よりは時間は掛かるが楽なはずだ。

 頭を持ち上げて行く手をみると、漆黒の闇世の中に薄っすらと白いものが見えてきた。 もしやあれが山頂なのか。 近づくにつれてそれが山頂の鳥居であることが分かる。 いよいよラストスパート。 着実に一歩を進めると鳥居をくぐることができた。 山頂はまだそれ程人気はない。 八合目から見たときは沢山の先発者が登っているかに見えたが、登山道は混んでいてなかなか登頂できずにいるのだろうか。

 立ち止まると異常に寒い。 染み込んだ雨が凍りついたように冷たくなり、そこに風が吹き付ける。 体感温度はさぞかし低いだろう。 時間が経つに従い人がわらわら増えてくる。 日の出に備えて眺望の良い場所を確保するが、眺望が良いだけに風にさらされ寒い。 日の出まで僅か20数分だろうがこの時間かむしょうに長く感じられた。 思ったとおり日の出直前の5時頃には満員電車の様だ。 腕時計と睨めっこしながら日の上がるのを待つ。 次第に空が明るくなってくるが、遠方にみえるのは分厚い雲ばかり、いくら待っても太陽は見えなかった。 残念無念。 一瞬雨の弱まる瞬間があって雲の切れ間が見えたこともあったのだが、結局御来光は見ることが出来なかった。



   次ページへつづく...

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